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プロ野球の日本シリーズでは、甲子園、福岡ドームとも超満員だった。
あれだけの観客を一堂に集めるということは、それだけ興味のあるスリリングな試合が展開され、自分の応援する球団に現場へ行って応援したい、という切なる願望があるからこそ高い入場料を払って足を運ぶ。それなりの理由がきちんとあるわけだが、一方弱小球団の試合になると広い球場に一万人前後の観客しか入っていない。テレビを見ているとホームランが飛んだときの外野席は、お客もパラパラで閑散としている。
同じ条件のプロ野球でもこれだけの大差が出てくるわけだが、同じように地方の施設、イベントでもそれ相応の魅力、吸引力がなければ、人はわざわざ集まってこない。人間は正直なものでお金と時間を使って行くのには、全く確固とした理由付けが必要なのである。
お客もそれ相応の情報力、判断力を持っているものだから、宣伝の力だけでは難しい。プラス内容的にしっかり惹きつける材料がなければ、物珍しさに一度はきても二度、三度とリピーターはしない。このことをハッキリ知るべきであろう。
東京にこの5月オープンした「六本木ヒルズ」は、約半年を経過して約二千五百万人が来場したという。そのうち4割はリピーターで、客層も幅広い上、広域的に集客があると言うことである。
テレビはじめマスメディアの報道で、視覚的に六本木ヒルズの現状を把握し、珍しいという好奇心の満足と、新しい施設へのあこがれ、また業務上一度は見ておきたいという欲求などが交錯して、より多くの人々が押し寄せた。来街者への調査では、八六・二%の人が満足しているという答えが出ているが、この根底には東京のど真ん中に誕生した施設であるという理由が大きな比重を占めているのではないだろうか。
いま旬のトレンディスポットを見ておかないと、時代に遅れる、人との会話についていけないという焦りもあるのではないか。
また、人気ブランドのルイ・ヴィトンやヴェルサーチの大型店が開業していることも、魅力を倍加する材料の一つになっているようだ。
しかし、地方都市でこのような施設が出来ても、人の集まりは良くない。東京という晴れの舞台と、日本全国から集客可能な首都に存在するという優位性は絶対的なものである。ところが地方都市でも成功しているケースがないわけではない。
北九州市小倉北区に4月オープンした大型複合施設「リバーウォーク北九州」は、開業半年間で約六百五十万人の予想の二割アップという、強力パワーの集客力を示した。テナントの売り上げも初年度目標の半分である百億円に達したそうだ。
これはすごいことで、特筆大書の価値は十分にあると思う。
福岡市のストロー現象によって体力が弱い北九州市としては、初めての大型施設とあって爆発的なパワーを見せつけた。
九州一極集中は福岡県に片寄り勝ちだが、これで福岡市と北九州市が九州の集客を二分することになった。地方でもやり方次第では不可能を可能にすることだって、現実に起こりうるということを実証した。
シンボルタワーは大爆発するか
JR高松駅前のすぐ北側に、ニョッキリとひと際高くそびえる建物が目に入る。初めて降り立ったお客は、これをしげしげと眺めてじっと見入っている。細長いビルは「一体何だろう」というわけである。
シンボルタワーがようやく全容を現してきたのである。
その東側に連なってサンポートホール高松や国際会議場の姿も、ハッキリ見えてきてなかなかの迫力である。来年5月20日にはこのエリアの建物が一応完成するので、竣工披露を行うとのことである。サンポート高松の姿がその段階ではっきりする訳だが、果たしてこのエリアが人を集めるパワーがあるかないか。あるとしたらどんな形で迎え入れるのか。別名"辛ボルタワー"ともいい、強力な集客力と他県にない魅力を発信できるまでには、相当の`辛棒aを要するというので、"辛"ボルタワーと痛烈なアイロニーでもって呼ぶ人もいる。
そのくらい地方都市でも集客というものは困難を伴うものである。
オープン後半年間位は、物珍しさと野次馬根性でもって相当広範囲からなの集客が予想されるが、一段落したあとの落差はかなり大きいことを覚悟しなければならない。魅力ある仕掛け、施設の威力、総合的な雰囲気、他の施設との連動などによって、お互いのボタンを巧みに点火しつつ大きな集客力に結びつけなければ、容易に爆発が出来ない。来年の春は、高松・香川がこの施設によってパワフルな巨火となりうるか、否か。関係者各位のより慎重にしてダイナミックな展開力に期待したいものだ。(本誌編集長 中西 稔)
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