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(株)セシール(高松市多賀町2-10-20 正岡道一社長)は、個人として保有する株式の一部300万株を、無償で会社へ譲渡する旨の申し出があった。
正岡社長はこの3月末をもって退任するが、先に100万株を譲渡しているため、合計400万株となる。
同社はこれを金庫株として保有、取締役・社員に対し約200万株のストックオプションの割り当てを実施しており、今回分も3回目として活用、合計約500万株が対象となる。ことし3月下旬開催予定の定時株主総会において付議する。
受贈価格は30億7500万円(昨年は12月15日の東証終値から算定)となる。同社にとってもこのメリットは大きく、自社株式取得資金が不要になるばかりか、18億1800万円のキャッシュフロー改善という副次的効果を生みだした。
更に自己資本充実にも寄与するほか、ストックオプション割当に活用した場合、役員、従業員のやる気を喚起し業績の向上が期待できる。
無償で受贈された自社株式の時価については、会計上は収益として認識されないものの、税務上は益金として課税されるため繰越欠損金を減少させる効果がある。
これにより同社の筆頭株主に異動が生じた。即ち第一位の正岡氏が29.15%(総株主の議決権の数に対する割合)となり、(株)アジア物産が第一位(29.54%)となった。
アジア物産は創業者一族が出資しており、このうち86.9%を正岡氏が出資している。
今後も正岡氏は同社の安定株主として、継続的に株式を保有するとのことである。
平成15年12月期の業績は厳しい
平成15年12月期(平成15年1月〜12月)について、昨年8月8日発表の業績予想を別表のとおり修正した。
売上高は予想を大きく下回って、遂に18年ぶりに一千億円台を割った。
この要因について、1.冷夏により盛夏物商品の販売不調 2.秋冬商戦が記録的な残暑・暖冬の影響から8月以降売上げは前年割れ 3.継続商品のマンネリ化とインナーウェア部門が専門小売店への対応が遅れた―などをあげている。
結局「多様化するお客様ニーズに十分応えられなかったため、支持される商品が売れない」という悪循環になったものと推察される。
更に子会社である(株)セシールエンタープライズへ土地等の譲渡を行うため、譲渡益の特別損益が発生する見込み。
この挽回策としては、新商品比率の向上、ライフグッズ部門に新商品を投入し高額購入ユーザー向けの春夏カタログ・プレDM(約300万件)で早くも手応えが出てくるなど、攻めの姿勢を強化している。
結局は「より魅力のある商品作り、付加価値の高い商品開発」が生命線となるだろう。カタログについても「楽しく分かりやすく、見やすく選びやすい」をコンセプトに、制作業務のデジタル化を進めている。
本格稼働になれば製作の省力化、期間短縮化される。インターネットビジネスにおいても、コンテンツ制作が大幅に省力化、短縮化される。
また、カタログ制作費のコストダウンや中国からの直輸入ビジネスについても、輸送や検品業務のコストダウンを計り、粗利益率の0.7ポイント改善、粗利益額(約七億円増加)にも注力し利益の確保に努める。
ことし3月末で退任する創業者正岡社長の花道を飾る意味からも、いい内容の数字でフィナーレとしたかったが、残念な結果に終わった。
あとは4月から新しく社長に就任する猪瀬具夫氏が、社員の総意を結集して復活の狼煙をしっかりあげて欲しいものである。
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