コラム せとうち

表紙・目次
抜粋記事

 実社会へ入ったあとの厳しさは、キャンパスとあまりの温度差があるため戸惑うことも多いだろう。まずこれが第一関門。
 自由放任主義の怠惰な生活から、一転キチンとした出勤時間を守ることからスタート、社内の規則や雰囲気に馴れるまで動揺もあるし困惑することも多い筈だ。
 簡単なようだが一定のルールに従うことは、簡単なようでなかなか難しいものだ。
 社内研修なども終わり各セクションに配属されると、ようやく新入社員としての自覚も生まれヤル気もぐんぐん芽生えてくることになる。
 約六カ月も経過すれば社内における存在感もまず一定のものとなり、自分のやるべき仕事が大体理解できて、毎日の生活にも充実感が生まれてくることだろう。
 このあたりで仕事に馴染む人と、「いやこんな仕事は自分に合わない」と違和感を覚える人もいて、同期の中で早くも少しずつ格差が生じてくるものだ。
 一番怖いのは一年という助走期間を経た時で、馴染みにくい人はこの段階であっさり諦める。
 近頃はじっくり構えて仕事に取り組もうとせず、ダメと自分なりの判断をすればたちまち辞表を出す悪い癖がある。慰留しても首をタテに振らず"わが道を往く"のである。
 知人のご子息は東京で一流大学を卒業して希望の都市銀行に入行したが、「お金ばかり扱う仕事は自分のやるべきことではない。もっと納得する仕事がしたい」と、アッサリ親にも相談せず辞めて郷里へ帰った。
 結局再就職はせず学習塾を経営して現在に至っている。
 割り切り方が早すぎて理解に苦しむ点も多いが、本人は至ってケロッとして塾講師の仕事を淡々とこなしているわけだ。
 長い不況からようやく抜け出たものの、企業の中で生き延びていくのは容易なことではない。
 好況期と異なりいつリストラという大ナタが振るわれるか分からない状況の中で、その企業における強い存在感を作るよう努力するべきだ。
 「あの男は若いが安心して仕事を任せられるよ」「いや年は若いが大したものだ。指示したことよりはるか上のことをキチンとこなしていたよ」などと、上司が評価するようになればしめたもの。
 まず、自分の存在を社内で明確にするとともに、仕事は先頭に立ってやることを心掛けるべきである。
 特に女子社員の支持を得ることが大切で、困っている時はお手伝いをしたり協力してあげる積極性もいる。
 女子社員の中で「あの社員はなかなか頼もしい。積極的で社業にもよく頑張っている」という評判が立てば、口コミで上司にも自然に伝わる。
 こうした評価は上司も一定の人事評価に結びつけるもので、正当な評価の対象になる筈。
 とにかく常によきチャレンジャーであって欲しい。そして三日坊主ではなく永続性のあるものにして、自分を絶えず磨き自己に投資することを忘れてはならない。
 退社後同僚とお酒を飲みカラオケに興じ、家ではテレビで時間を過ごすのもいいが、毎日そればかりではイージーな生活に流れてしまい勝ち。一日何ページでもよいから、活字に親しむ習慣をつけて欲しいものだ。

常に危機感を持って対処せよ

 馴れるということは恐ろしいことで、三年・五年を経過する中で、生活のパターンがマンネリ化し仕事もフレッシュさを失ってしまう。
 同じ仕事でも常に創意工夫をし、前向きに取り組めばそこに効率もアップするし、新たなアイデアや発見が生まれてくる。
 簡単なことだが若い頭脳を駆使すれば、能率の向上によって他へも大きな波及効果をもたらすこともある。
 仕事にも企業にも、そして自分自身にも常に危機感を持って対処して欲しいものである。
 いつ何が起こっても慌てず騒がず冷静に対処できるよう、自己防衛もしておかねばならない。
 高松市内の中堅会社でも、朝社員が出勤したら「会社は休業します」の貼り紙一枚で締め出され、路頭に迷うことになった。
 この時どうするか。他人事ではない。いつあなた自身の上にこのような突発事件が起こるかも知れない。
 そうした危機に備えて日頃からスキルアップを心掛け、突然の出来事にも右往左往しないだけの余裕を持ってもらいたい。
 入社した頃は大事にされるが、一年もすると扱いは普通の状態になってくるだろう。社会の風は冷たい。学生時代の甘えは一切捨ててかからねば大きなケガをすることもありうる。人にも厳しく、自分にも厳しく律することを信条とし、この荒波を乗り切って大成してもらいたい。
 いつまでも新入社員の甘えは許されない。即戦力の人材になって欲しいものである。(編集長 中西 稔)

   
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