ホーム香川のキーパーソン棒高跳選手 2023ミス・アース・ジャパン香川代表 安宅 伽織さん

香川のキーパーソン

棒高跳選手 2023ミス・アース・ジャパン香川代表 安宅 伽織さん

 水泳に器械体操と、幼い頃から様々なスポーツに親しみ、小学校では学校の代表選手として陸上競技大会に出場。ここで棒高跳選手の道を薦められた。
 競技に対し「怖い」というイメージはなく、初めは「かっこいい、やってみたいという気持ちが強かった」と回顧する。その背景には、世界陸上が大阪で開催された年の貴重な体験があった。県立丸亀競技場で合宿していた海外選手の見学に訪れた際、一人の選手が自らバスを降りて、サインを書いてくれたのだ。後に、その人物が女子棒高跳の世界記録保持者であるエレーナ・イシンバエワ(ロシア)だと知った。
 棒高跳のクラブチームに所属したのは、中学生から。とはいえ、当時は全日本大会の種目にも女子の棒高跳がなく、並行して走幅跳のトレーニングに励んだ。149㎝と小柄だった身長は、中学校の3年間で15㎝成長。高校生の頃には、四国高校記録も樹立した。


 「棒高跳は屋外競技なので、風の方角や強さなどに合わせて、助走距離やポールの硬さも変える。〝大怪我をするかもしれない〟という恐怖を常に乗り越えなければできない競技。怖いけれど、やるしかない」。試合当日に、ピットに立つことすらままならなくなったこともある。日本選手権出場のため、多くの人の支援を得て恐怖の病は克服できたが、大会直前に足を捻挫したというから胸が痛い。
 同年2023年には、新しい世界との出合いもあった。周囲から誘われてエントリーした、ミス・アース・ジャパン香川大会で見事グランプリを受賞。家と競技場を行き来する生活が一変、「美意識も変わった」と照れ笑いを見せる。
 現在は屋島レクザムフィールドを拠点にトレーニングを続けながら、地元の子ども達や社会人を指導。可能な範囲で、モデルや俳優の仕事も受けている。
 「現役として活躍する姿を子ども達に見せることで、地域に貢献できたら。香川県の方には、〝ポール王国香川〟と呼ばれる時代があったことをもっと知ってほしいし、もっと棒高跳を見てほしい。新しい選手を育てながら、そういう機会を作っていくのも私の仕事だと思っている」。
 目指すは4m20㎝超え、日本ランキング片手入り。力強い宣言に、王国復興の兆しが見えた。