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四国4県の経済同友会が一堂に/かがわ国際会議場で「交流懇談会」

 四国4県の経済同友会が一堂に会する交流懇談会が8月18日、かがわ国際会議場(高松市サンポート)で開かれ、出席者らは基調講演や経済人らのプレゼンテーションを通じて物事の考え方を新たにした。
 懇談会は、四国地区4県の経済同友会が持ち回りで毎年開催。今年度の26回目は、香川経済同友会(竹内麗子・矢野年紀両代表幹事)が幹事を務めた。テーマは「物見遊学(モノミユーガク)〜時代に先を越されない『21世紀的観光』を四国連携で考えよう〜」。
 この日、会場には4県の経済同友会メンバーら約130人が出席。高松市在住の中川侑希子さんによるサヌカイト演奏で幕を開けた後、竹内代表幹事が、「今日の交流懇談会が経済同友会の未来をひとつ切り開く一端となれば」とあいさつした。
 基調講演では、ジュン・ペイジ社長(㈱ZEPHYROS(ゼフロス))が講師を務め、サンフランシスコと会場をライブ中継でつなぐ形で行われた。一回目の演題は「Your Potential」。出席者らは一つの目標に向かうにあたり、まず個人で導き出した回答と、グループ内で話し合ったうえで改めて導き出した回答に、大きな差が生じることを実感。ジュン社長は、「常に自分と意見の異なる人がそばにいれば、良い判断ができる」などを強調した。
 プレゼンテーションのトップバッターには、鹿庭弘百代表理事((一社)街角に音楽を@香川)が登壇し、これまで商店街や屋島などを舞台に行ってきた音楽活動を紹介。「音楽は観光や人口増につながる」とする期待を述べた。


高校生が柔軟な発想でプランづくり /「東京大学イノベーションサマープログラム」

 東京大学i.school主催の「東京大学イノベーションサマープログラム」の最終プレゼンが8月11日、サンポートホール高松(高松市サンポート)で行われ、香川県内5校(観音寺第一高校、高松第一高校、高松高校、丸亀高校、小豆島中央高校)の高校生ら25人が、小豆島の町おこしにつながる独自のプランを発表した。
 i.schoolは、東京大学が同大学の学生や院生を対象に、新しい製品やサービス、ビジネスモデルなどを生み出す力を養おうと、2009年からはじめたイノベーション教育で、年間を通じて7回ほど実施している。
 そのうちのひとつが2013年からはじめた「サマープログラム」。i.schoolに参加する学生をはじめ、世界各国から公募で集めた大学生と地方の高校生が一つとなり、フィールドワークやワークショップを通じて地域の魅力を活かした新製品や新サービスを考え出していくというもの。
 今年は8月1日から同月11日までの日程で開催。前半(1日〜6日)は東京で大学生だけのセッション、後半(7日〜11日)は彼らが香川県(小豆島)と宮崎県の2ヶ所に分かれて各々の地元高校生らと合流し、フィールドワークとワークショップを行った。
 この日、高校生は5人一組5つのグループに分かれ、大学生らとともに小豆島の企業訪問などから得た学びをもとに考案したプランを英語でスピーチ。島の特産物であるオリーブや醤油などを取扱う関係者らが一堂に会する博覧会や、空き屋を利用して生素麺などを振る舞うヌードフェスティバルの開催、肥土山歌舞伎を親から子へ伝え残す地域コミュニティーの拡大など、いずれのプランも「島への集客(賑わい)」に重きを置いた内容が多く挙がった。
 丸亀高校の女子生徒は、「はじめは答えのない問題に取り組むことへの苦手意識を持っていたが、答えがないからこそ面白いということに気付けた。貴重な経験ができた」とコメント。このプログラムに特別協賛した全日本空輸(ANA)高松支店の中島浩支店長は、「弊社としても彼らのアイデアから商品化につなげるなど、香川県を盛り上げるための地域貢献を一緒にやっていきたい。高校生の皆さんには是非今回の経験を次につなげてほしい」とエールを送った。


イノベーションは既存の「知と知」の組み合わせ /「西日本生産性会議」

 西日本地域の5つの生産性本部(四国、中部、関西、中国、九州)が集う大規模な会合「西日本生産性会議」が8月3日と翌4日の二日間、高松市浜ノ町のJRホテルクレメント高松で開かれた。
 会議は1973年以降、毎年開催。労使の共通課題について互いの実践事例を持ち寄り、今後につなげる具体的な行動指針を検討している。開催地は持ち回りで、第45回目となる今回は、「生産性革新に挑む労使の知恵と実践力」を統一テーマに掲げた。
 3日、各生産性本部の会員ら約650人が出席。はじめに四国生産性本部の佐伯勇人会長(四国電力社長)が、「これから本格化する少子高齢化社会は大きな課題ではあるが、逆に労働力の減少は生産性向上の絶好の機会と捉える発想が大事。付加価値を生む源泉は一人ひとりの創意工夫にある。この会議で得た知見を各々の現場で活かしてほしい」とあいさつした後、基調講演とパネルディスカッションがあった。
 その基調講演には、入山章栄氏(早稲田大学ビジネススクール准教授)を講師に迎え、経営学的に見るイノベーション(技術革新)の創出方法を紹介。
 入山氏は、イノベーションを起こす第一歩として「『新しい知(アイデア)』が必要」とし、「これは『既存の知』と、さらに別の『既存の知』を組み合わせることで生まれる。閃きひとつでも、必ず既存の知と知が組み合わさっている」と強調した。
 ただ歴史の長い企業であればあるほど、「目の前の知と知は、(新たな事業展開に向けて)これまで自然と何通りも組み合わせ、やり尽くしてきたはず。次のアイデアがなかなか出てこないのはここ」と指摘。これを脱却するには、「なるべく遠くの知を探し、それを自分の知と組み合わせることが(イノベーションにおいて)重要」と説明。成功事例のひとつに、スーパーマーケットからヒントを得て考案された「トヨタ生産方式」を挙げた。


高松市の観光大使、新たに3人を任命/市役所で委嘱式

 高松市観光大使の委嘱式が8月1日、同市役所の市長応接室であり、このたび平井利長氏(日本貿易振興機構(JETORO)地域統括センター長(四国)香川貿易情報センター長)、蓮井靖信氏(三菱重工業㈱四国支社長)、西川宏幸氏(西日本電信電話㈱香川支店長)の3人が新たに加わった。
 委嘱(式)は、同市の観光振興を目的に平成8年から行われているもので、今回の3人を含めて累計165人が就任。これまでも出身や転勤など同市に何らかのゆかりのある経済界や芸能関係者らが選ばれている。任命されると観光大使用の特別名刺が配布され、県外あるいは海外に向けて積極的にアピールできるようになる。任期は10年毎の更新。
 この日の式で、大西秀人高松市長が、「高松市は国際的知名度も向上し、ブランド力が少しずつ高まってきているところ。これをさらに伸ばすため観光大使として(高松市の)PRに努めていただきたい」とあいさつ。出席した3人に大西市長から委嘱楯が贈られた。


四国インバウンド連合会発足/中村理事長「ツーリズムだけではない」

 日本最大級のインバウンド専門の総合官民連携組織「(一社)日本インバウンド連合会(JIF)」の四国支部・JIF四国インバウンド連合会が6月2日、発足した。
 JIFは、官民が一体となってインバウンド業界全体を盛り上げ、「観光立国」「地方創生」の実現を目指す組織。理事長は中村好明氏(㈱ジャパンインバウンドソリューションズ社長)。
 全国にも地方支部がある。四国支部では、これから会員を募り機運を高めていく。今後の予定のひとつに「フォーラム開催」を計画している。
 7月27日夕、四国支部発足を記念したキックオフミーティングが、サンポートホール高松(高松市サンポート)の会議室で開かれ、関心を寄せる参加者ら約80人が出席した。
 はじめに琴平バス㈱(仲多度郡琴平町)の楠木泰二朗社長が、「これからユニークな活動を展開していければ」と開会宣言した後、中村理事長による講演があった。
 中村理事長は、「インバウンドはツーリズム(観光旅行)だけではない」と指摘したうえで、「もっと広域な概念で取り上げるべき」と主張。これを「インバウンド3.0」と呼び、2020年の訪日外客数4千万人の目標に向けても、「日本の全産業が(インバウンドに対して)主体的に取り組まなければいけない」と促した。 
 また、四国のインバウンド戦略のひとつに「お遍路の活用」を挙げた。