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【徳武産業㈱】 代表取締役社長 西尾政展氏

ケアシューズ「あゆみ」で全国区の企業へ成長
先代より引き継ぐ感謝の気持ち、思いやりの心

  昨年8月、高齢者向けケアシューズを全国展開する徳武産業の三代目社長に就いた。
同社は手袋縫製メーカーとして創業。その後スリッパやバレーシューズの製造を手掛けていたが、十河孝男現会長の社長就任以降、ルームシューズ、トラベルシューズへと事業を転換。1995年に発売を開始したケアシューズ「あゆみ」が大ヒットし、今や全国から注目を集める存在に。2015年は約130万足を出荷した。
徳島で育ち、池田高校で名将 蔦 文也監督(故人)のもと白球を追い続け、外野手として甲子園にも出場。
大卒後、試薬・研究用機器販売会社に就職。2000年、現会長の次女との結婚を機に徳武産業へ入社。海外生産、物流、営業、商品の企画開発、新規ブランドの立ち上げなどに携わり、2009年常務、2012年からは副社長として経営を担ってきた。

 

 「超高齢社会となり、弊社のケアシューズを愛用して頂ける方は増加傾向にあるが、事業が急速に拡大したため、人材育成が追いつけていない課題もある。この点は外部への研修参加や会長の指導を仰ぎながら教育に努めている。
 商品面では、さらなるブラッシュアップを進める。具体的には足の腫れやむくみに悩む人、脳梗塞の後遺症で片麻痺になり装具を付けている人、リウマチの患者等々、症状に合わせたケアシューズの開発が必要。
 これまでは特養などの施設内での履用が多かったが、在宅の方向け専用ケアシューズも送り出したい」
 大手靴メーカーの参入もあるが、左右サイズ違いの販売や片足販売など、消費者ニーズの細部にまで応える徳武産業の優位は揺らぐことがない。昨年5月、宇多津町に物流センターを拡大移転。体制は整った。
 「売上や利益も大事だが、徳武産業にとってはそれ以上に大切なものがある。感謝する気持ち、思いやりの心。それを忘れてはならない。
 我が社の使命は、高齢者や障がい者の歩行をサポートすること。その物作りを支える社員の幸せも追求する会社でもありたい」
 日々、アンケートハガキ、便り、メールなどで愛用者の感謝の言葉が届くたび、仕事の喜びを実感する。
 感謝と喜びに包まれた徳武産業の成長は止まるところを知らない。
 家庭では、高校球児の長男を筆頭に二男四女の父。
 1970年5月7日生まれ45歳。


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