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【(株)志満秀】 代表取締役社長 島 光男さん

念願の首都圏への駅ビル進出、全国ブランドとしての存在感が更に増す

 社長就任からこの春で丸二年を迎える。ようやく、自分が描いた通りに結果がついてくるようになったと、充実した笑顔を見せる。
 昨年は念願だったJR東日本の駅ビルに進出を果たし、デパートに集中してきた県外での出店戦略も新たな展開を見せた。現在、売上の県外比率は六割に達しており、香川の名菓から全国で親しまれるえびせんべいへと成長していることが窺える。

 学卒後、昭和60年に同社へ入社し商品開発や営業などに携わる。同63年から専務として会社経営にあたってきた。老舗を目指す同社にあって、ISO9001および14001の導入など現代に要求される経営課題に取り組んできた。また先代(現会長)を補佐し、二十年にわたって数々の重要な決断も下してきた。
 「専務時代に責任をないがしろにしたつもりはないが、社長として下す決断は責任の重さが全く違う。重圧に負けずに、暖簾と社員を守りつつも攻める経営を目指したい」
 昨年は原材料の高騰、世界同時不況の襲来と厳しい経営環境にあるが、鍛錬の時代と考えればまたとない機会となりそうだ。
 先代は会社経営と商議所での活動(現会頭)、趣味のゴルフはシングルプレイヤーの草分けと、バランス感覚に優れた経営者だったと評す。
 氏が磨きをかけたいと願うのが、このバランス経営。商品開発による革新性と伝統の継承、積極的な出店と店舗レベルの維持など、相反しかねない課題を高次元なバランス感覚で満たしていくことが目標だ。
 飾らぬ性格で社員たちの輪に気軽に入っていく。県外の店舗や営業所を訪れた際は、社員たちと食事を共にし、彼らと意思の疎通を図る。
 同社の製品は熟練の職人による手作りによって生まれる。それゆえ社員の育成と技術の継承は重要課題として社長就任から取り組み、成果となって表れ始めている。
 来年に同社は六十周年を迎えるが、えびせんべいの業界では百年を越えるライバルも存在するという。
 「業歴の差を覆すことはできないが、商品力や品質の高さで他社を追い抜くことはできる。すでに肩を並べるまでになったとの自負がある。
 これからも伝統の味に創意と革新性を盛り込み、新しい志満秀の時代を築いていきたい」と意欲が漲る。
 八代学院(現神戸国際)大卒、45才。


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