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【(株)ロボット コンテンツ事業本部映画部】 監督 本広 克行さん

香川県丸亀市出身の次代をリードする若手監督。完成”香川三部作”「曲がれスプーン」をPR

 興行収入日本一を記録した「踊る大捜査線」シリーズで一躍、スター監督の仲間入りを果たした。エンターテイメントを追求し、アクション映画からコメディ映画まで無類な才能を発揮。フジテレビの映画事業局と組む作品は、テレビ出身監督ならではスピード感と、人の心をつかんで飽きさせない絡み合ったディテールにこだわる演出が、〝本広ファン〟を創り出す。

 劇団「ヨーロッパ企画」の上田 誠氏が原作・脚本を担当するこの「曲がれスプーン」は、同劇団による舞台作品「冬のユリゲラー」を観た本広氏がその面白さに惚れ込み映画化を希望。同劇団員はじめ演劇畑の役者と、有名女優の長澤まさみさんという異色取り合わせの妙を狙った。映画出身の長澤まさみさんとは、事前に演劇と映画の芝居をミックスしていくワーク作業を行った。
 女の子にぜひ観てもらいたいと思い、それを意識して作ったという映画のキーワードは〝ガーリー〟。少女や女の子らしさの総称となるこの「ガーリー」のために、監督も講習を受けた。音楽を担当したYUKIさんも典型的なガーリーだ。
 撮影時の思い出としては「地元でのびのびと撮らせてもらい、かなり楽しい撮影だったし、あまり苦労したという思いがない。」と振り返る。
 〝香川三部作〟の完結は肩にぐっと重しとなっていただけに、今はホッとした様子。今後も機会があれば〝新香川三部作〟をやりたいと意欲を覗かせる。さぬき映画祭で大林宣彦監督から「映画を故郷に持って来るのは恩返しだから」と言われていた。
 スタッフに長澤まさみファンが多かったし、監督も映画「UDON」のNYロケ中にプライベート旅行中の長澤ファミリーとばったり出会った縁を思い出し、もっと可能性がある役者であると起用を決断。映画での彼女は地の部分が良く出ており、等身大の演技が出来ていたという。
 「香川県を舞台にした映画は文芸作品などが多いが、実は娯楽作品を作るのに適した土地ではないかと思う。例えば山の形、海や川、ため池など素材となるものが多い。この町に行けば楽しい映画が出来るとわかれば映画の撮影隊は自然と来るはず。そうした連鎖反応が起きればいい。」とあくまでコメディにこだわった。
 若手監督として次代の映画界を担う存在。でも故郷香川の人が、自分たちの町を誇りに思ってもらえるような映画づくりにこだわる。そんな映画人がいることを誇りに思いたい。


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