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9月5日号

 日本が好きで何度もリピートしている外国人旅行者は、瀬戸芸をどう感じているのだろうか?
 ㈱日本政策投資銀行(DBJ)は、「東アジア3地域の瀬戸内芸術祭に関する意向調査〜来訪者の関心を『瀬戸芸』から『四国』へ拡げ、地域経済効果を高める」と題した調査レポートを8月に発行した。DBJ四国支店は2019年5月から6月にかけて、東アジア3地域(台湾・香港・韓国)の日本好きな消費者3533名を対象に、オンラインアンケート調査を実施した。さてその結果は?
 DBJの分析結果によると、東アジア3地域において瀬戸芸の認知度、瀬戸芸2019への来場意欲は高く、人気の会場は、台湾・香港では「小豆島」「直島」、韓国では「直島」であった。宿泊希望は「高松/香川」が1位で、「徳島、愛媛、高知」を回答する人は台湾・香港に多い。 
 希望する宿泊数は日本を旅行する際の平均宿泊数より短く、そこから考えると、瀬戸芸を目当てに訪れた日本旅行でも、より滞在時間を増やし滞在日数を長期化する余地がまだあるのではと同行では考えている。


 しかし瀬戸芸に訪れる人は「瀬戸芸リピーター」が多く、日本慣れしている傾向にある反面、残念ながら四国の他の地域への旅行の拡がりはあまり認められなかった。
 今後瀬戸芸をきっかけとして、東アジア3地域のインバウンド客が四国に及ぼす地域経済効果を高めるために、DBJでは次の3点を挙げている。
 ①来訪者の関心や足を「四国」へ拡げ往訪機会・滞在日数を増やす。瀬戸芸以外の四国の観光地を周遊してもらうようプロモーションし、滞在日数を増やしていく。
 ②来訪者目線を大切にして「四国」への拡がりを意識したエリアマーケティングを行う。地域や属性によって旅行者の趣向が大きく異なるため、四国の観光資源を来訪者の目線できめ細かく提示していく工夫が必要である。
 ③2025年大阪・関西万博など周辺エリアで開催予定の国際イベントを活用する。特に大阪・関西万博と次々回瀬戸芸は開催期間が重なることが予想されるため、より広域なエリアマーケティングにより大阪・関西万博を訪れる外国人旅行者を瀬戸芸、四国に呼び込むことを考える必要がある。


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