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6月15日号

 日銀から招いた蓮井明博氏がまだ着任一年余しか経たない中で、伊賀理事長が退任を決断するにはどんな背景があったのか。
 普通ならまず二年以上業務を経験しなければ、トップの座を任すことはできかねる。重いポストであるだけに熟慮の末決めたわけだが、予想以上に蓮井氏の評価が高かったわけでもある。これが第一の理由ではなかろうか。
 物事に慎重な伊賀氏の性格からしても、今回の承継は予想より早かった。この裏には蓮井氏の業務への取組みが意欲的であり、役職者、職員、そして外部の取引先に至るまで、真底から全幅の信頼を得ていたことが決断の背景にあったのでは。
 適材適所の人財というのはなかなかいないものだが、蓮井氏は地元出身であるプラス面もさることながら、日銀出身という金看板を表に出さず、高信の人間になり切って職員と接し、気軽な性格で交流を図ってきた。


 全く垣根のない気さくなキャラは、尊敬され親しまれていった。兄貴分として先輩として助言をして、一緒になって物事を考えていく姿勢に、強い共感と尊敬の気持ちを持たれた。
 伊賀氏は日々の業務の中で蓮井氏の動静を温かく見守っていたが、在任一年余の短期間ながら「よし、これなら大丈夫だろう。後を任せてみよう」と心を決める段階に至った。

▼大改革を成し遂げた伊賀氏

 振り返ってみれば、平成10年に理事長に就任した伊賀氏は、セキを切ったように斬新な改革を内外で連打し、古い殻を破って大手術を敢行。
 細かく列記すれば膨大なものになるが、その内容たるや信金初のフレッシュな改革、改善が多かった。
 当初職員も少々戸惑っていたようだが、果敢な伊賀理事長の路線に心底から協力、協調する態勢となり、漸次大きな成果を上げた。
 このほど中期経営計画(3カ年)がスタート、これを契機にバトンタッチの機運が生まれたものである。
 この主旨は「われわれは郷土のすべての企業に繁栄を、すべての家庭に幸福をもたらすために奉仕する」との精神で、一段と附加価値の高いサービスを提供していくものである。
 伊賀氏は常に目線を取引先、顧客に置いていたが、ぜひ蓮井新理事長もこれを踏襲してもらいたいものだ。
 最も重要かつ緊急を要するものは、人財の教育、女性の活用とともに、将来を背負って立つ幹部人材の抜擢登用であり、新理事長の視点で再発見して欲しい。更に高信のオリジナリティ溢れる金融商品の開発、つまり顧客ニーズを巧みに吸収した魅力ある商品を作ることが望まれる。融資システムも、スピーディな実行ができるよう更に研究を進める。
 支店内ロビーのレイアウト再検討、理想的な支店のあり方をあらゆる角度から見直すべきである。
 今後伊賀路線に更なる磨きをかけ、全国的にも有数の〝たかしん〟に仕上げ、取引先のニーズに応えて全幅の信頼を置かれる金庫に成長してもらいたいものである。
 蓮井理事長を良きリーダーとして、高信挙げての総進軍に心から期待したいものである。


目次

  • トップに聞く
    (株)ジェイアール四国コミュニケーションウェア 代表取締役社長 新田久穂氏
  • 高松信用金庫の新理事長に蓮井専務理事が昇格
  • 増収増益の23年度決算を発表 観音寺信用金庫
  • 24年度の事業計画を総会で承認 (社)香川県観光協会
  • 画期的なフィンランド製熱交換器を国内販売 (株)三和テスコ
  • プリウスのLPG仕様を営業車に提案 (株)日本トレーディング
  • 四国唯一のEMC対応「大型電波暗室」を完備 ネクスト香川
  • 高松市の今年度から三カ年の「高松市まちづくり戦略計画」概要
  • (株)川六が運営する熊本市のビジネスホテルが順調稼働
  • 国分寺にソーシャルメディアの情報発信基地 (株)さぬきメディアミックス
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  • 現地レポート
    スカイツリー
  • スカイツリーに学ぶ ~経済活性化の仕掛け~
  • ただいま着任
    香川県信用保証協会 会長 高木孝征氏
  • 今輝く女性
    (株)メガネのタナカヤ 代表取締役社長 田中里佳さん
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    とりりょうり澤

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