ホーム更新情報

更新情報

学生有利、企業人材確保苦戦 /秋の就職面接会「かがわーくフェア」

 来年3月に大学や短大、専門学校等を卒業予定の学生らを対象にした合同就職面接会「かがわーくフェア」が11月2日、高松市林町のサンメッセ香川であった。
 同面接会は、香川労働局や香川県などの主催。毎年3回開かれているもので、今回はその2回目となる。
 この日、主要駅と会場をつなぐ無料のシャトルバスも運行。会場には、香川県内に就業場所を構える122社(昨年2回目開催121社)の企業がブースを設けて出展し、中途採用希望者を含めた求職者ら115人(同210人)が面談に挑んだ。
 本年度は就職制度の変更に伴い、企業の採用選考開始が6月1日以降になった。昨年度と比較すれば2ヶ月間、前倒しに。その分、早めに内定を出す大手企業が増え、中小企業は人材確保に苦戦している。来年度も引き続き、このスケジュールを適用することが決定している。
 内定を2つも持ちながら就職活動を続ける4年制大学に通う女子学生は、「なんか納得がいかなくて。でもとりあえず行くところはあるから安心かも」と余裕。その反面、ある介護系の中小企業は、「選考どころかブースにすら座ってもらえない」と嘆いていた。依然として学生側が有利に動ける「売り手市場」が続いている。
 香川労働局の担当者によると、建設業、医療福祉関係の企業は特に人集めに困っているという。また人手不足の観点から、業界問わず若い人材は貴重な存在。内定を出し以降も入社を決めてもらえるよう、求職者と密なコミュニケーションをとっていくことが大事になりそうだ。
 このほか、同会場で県内の農業法人が面談ブースを出展する「2016かがわ就農・就業相談会」(香川県主催)も開かれた。  


もっと交通ルール意識して/ 香川経済同友会ら、JR高松駅で安全呼び掛け

 香川県内の企業経営者らで構成される(一社)香川経済同友会(下村正治・竹内麗子両代表幹事)や県警本部などが手を組み11月3日、JR高松駅で交通安全を呼び掛ける啓蒙活動「香川スマートドライバーキャンペーン」を行った。
 キャンペーンは、香川県民の交通安全に対する意識向上を図ろうと平成23年から毎年秋に一回実施。今年で6回目。ドライバー一人ひとりが第三者に配慮する気持ちを高めることで、交通事故を減らしていくことがねらいだ。
 この日14時、高松駅内に記帳台を設け、同会の会員企業らが手分けし、「どんな些細なことでもかまいません。記入をお願いします」と街行く人らに呼び掛けつつ、交通安全を誓う宣言書を配布。多くの人らがそれに応じ、身に覚えがある経験を振り返りながらペンを走らせた。
 宣言書は16時まで近くの掲示板に張り出され、「黄色信号は止まります」「速度を守ります」「早めにウインカーを出します」「車間距離をとるよう心掛けます」などの意見多数。また、歩行者側からは、「歩きスマホをやめます」「手を挙げて横断歩道を渡ります」「自転車を乗るときは早めにライトを点灯します」などの誓いがあった。
 「横断歩道を渡るとき赤信号なら止まります」と記入した、丸亀市の女性(64歳)は、「ダメだって頭では分かっているけれど、急いでいたら車も来てないしいいやと思って渡ってしまうことがある。でも今日は紙にも書いたし、これから意識していこうと思う」と、気持ちに変化が表れた様子だった。
 県警本部の担当者によると、香川は死亡事故の多い県として知られるが、道路密度、道のつくりからして、もともと交通事故が起こりやすい要素を持っているという。「決して県外の人より安全への意識が低いわけではないが、その分、注意が求められる」と指摘している。
 このほか、同駅前広場では、県警音楽隊による演奏や、県警のマスコットキャラ、企業のユルキャラも登場するなどして見物人を楽しませた。 


今年から11月4日を「中小企業診断士の日」に/記念講演に三橋貴明氏

 中小企業診断士で経済評論家の三橋貴明さん(㈱経世論研究所所長)が講師を務める経済講演会が10月29日、サンポートホール高松の会議室(高松市サンポート)であった。
 講演会は、香川県中小企業診断士協会(高松市林町 山下益明会長)および岡山県中小企業診断士会(岡山市北区 児玉健治会長)の主催。両会が特別講師を招いた大規模な講演会を開くのは今回はじめて。
 昭和23年11月4日、中小企業庁による「中小企業診断士制度」が発足したことにちなみ、中小企業診断士と同制度の理解を深めていこうと、今年から11月4日を「中小企業診断士の日」に設定。全国の協会がPR活動に励んでいる。
 29日、会場には企業経営者らなど約110人が参加し超満員。はじめのあいさつで山下会長が中小企業診断士の業務と役割について、「企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、今は中小企業と行政・金融機関等をつなぐパイプ役、また専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等、幅広い活動が求められています」と丁寧に紹介。その後、三橋さんが、「日本経済の真実ー経済成長の絶好の機会が訪れたー」と題したテーマのもと、持論を展開した。
 冒頭、三橋さんは、「安倍政権による消費増税で、果たして本当に国民は豊かになっているのでしょうか」と疑問視。直近約10年間の実質GDP(国内総生産)成長率をグラフで解説し、「増税の結果、国民は極端に消費をしなくなった」としたほか、実質賃金も1997年を境に下落し続けている現状を指摘。未だ経済成長できず、「貧困化が続いている」と強調した。
 「結局、国民が豊かになるのはお金が増えることではなく、所得が増えること。所得の合計がGDPである」としたうえで、「所得創出のプロセス」を紹介。
 生産の合計と消費・投資(需要)の合計、所得の合計は必ずイコールで結ばれるという法則から、「モノやサービスを消費する(買う)人が増えれば、結果的に生産者の生産量が増え、その人の所得も増える。確実に比例する」と説明。ただ、逆もまた然りのため、「国民が将来に不安を抱いて消費や投資を減らすと、誰かの所得が減ってしまい経済成長できっこない。だからこれから先、絶対に成長できないと決めつけるのはやめてほしい」と呼び掛けた。
 また、人口減少が顕著のなか、一日の労働時間を増やさずして従業員一人あたりの生産量を増やす「生産性の向上」に重きを置くべきだと主張。そのためには、「設備投資」「公共投資」「人材投資」「技術開発投資」の4つで環境を整えることが必要だと力説。「ここに経済成長の絶好のチャンスがある」とし、高度成長期も労働人口が伸び悩むなか、その実行のおかげで成長の好循環に入ったと振り返った。
 「生産者一人あたりの生産が増えれば、消費も所得も増えることにつながる。確かに投資は不確実。でもやっぱりやるべき。今の経営者が将来に期待を託す“アニマルスピリット”を取り戻すことで、高度成長期のような成長路線に必ず戻れる」と訴えかけた。