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1月15日号

 かがわ産業支援財団主催による、県内企業経営者と浜田知事との意見交換会が、12月25日、リーガホテルゼスト高松にて催された。
 平成16年度の前知事時代からスタートしたこの恒例行事も、今年度で9回目の開催となる。
 今回は、「地域のものづくりを支える企業経営者、次世代を担う企業経営者と知事との意見交換会」とし、19名の県内経営者が出席した。
 挨拶で浜田知事は、「県も次の10年先を見据えた新しい産業成長戦略を検討しているところであり、是非今日参加の経営者の皆さんからお知恵を拝借したい。」と語った。
 またJICAが、海外展開を企図する中小企業に資金面での支援を行う制度があること等を語った後、意見交換会が始まった。



▼小野㈱小野兼資社長
 現在全国で71店舗の手芸専門店「ドリーム」を展開しているが、県外に出店することで何とか生き残れている。
 平成16年の市街化調整区域の撤廃(線引き廃止)が県外企業出店の呼び水となり、県内だけで展開する小売業者の多くは生き残りが難しくなっているように思うが。
▼ナベプロセス㈱鍋坂忠男会長
 印刷工場向けグラビア印刷を手掛けて35年になる。高松工場を含めて全国で五つの事業所があり、業界のオンリーワンを目指している。
 工場がある東ファクトリーパークでは、世界で初めてのグラビアの版を作るロボットを応用した自動化ラインが稼働している。
 グラビアの製版技術が他に使えないものかということで、自動車の内装のパネルに転写する技術を開発した。
 名古屋の東海理化さんと共同で、トヨタ車のお手伝いをさせてもらっている。発売したばかりの新型クラウンの車内にあるパネル関係は、当社製の版で作られたものです。
▼浜田知事
 大方の見解としては線引きは残すという立場を取っている。高松中央商店街はがんばっているが他のところは厳しいようです。商工会議所等と一緒になり取り組んで行きたい。
▼㈱ミトラ尾形優子社長
 10年前に会社を立ち上げ、地元に根ざした会社を目指している。扱っているのは産学官事業でもって製品化した産婦人科電子プログラムの販売。グローバル展開を企図していて、アジア諸国にも販売したい。特に中国に目を向けている。
 島、山間部では医者に診てもらえない。企業を巻き込んで県も遠隔医療に取り組んで欲しい。
▼浜田知事
 かがわ医療福祉総合特区によって、小豆島、僻地山間部然りで、質の高い医療福祉をどんなところにも提供していく必要がある。周知提案に努めていきたい。
▼㈱レクザム住田博幸副社長
 電子部品のモノづくりは、地産地消という訳にはいかない。国内外から部品を仕入れ、国内外で組立製品化している。
 国外では中国・深圳に工場があるが、規模はここが一番大きい。物流は香港経由が多く、香港から高松直行の航路がないため、今は大阪南港、神戸港を使っている。
 そこから陸路で運んでくるのだが運送コストが高い。隣の愛媛県は香港便があるのだが、できれば高松に香港直行便を開設して欲しい。
▼㈱レガン砂川匡会長
 手袋産業に携わって今年で50年になる。日本で取り扱う手袋の九十数%は香川特に東讃地区の会社が関わっています。
 手袋産業は労働集約型産業の典型でして、今は海外、主に東南アジアで生産が行われている。
 高松には多くのコンテナ船が出入りしていますが、中心は中国、韓国です。
 ただ中国も人件費が高くなり、手袋産業はやりづらくなっています。だから中国からはどんどん出て行っています。
 今はフィリピン、ベトナム、タイ、インドネシア、カンボジア、インドなどに工場を作って稼働しています。中国から南西アジア方面にシフトしていっています。
 今問題になっているのが国内での運送コストです。高速道路、橋を利用すると、海外からの海上運賃よりも国内運賃のほうが数倍高いのです。
 高松港コンテナヤードも広くなったし、高松空港発着の上海春秋航空便も人以外に荷物も一部運べるようになった。それと3月から就航する高松台北便にも期待している。
 我々手袋業界も、工場があるフィリピン・マニラから、香港或いは高雄経由で高松港に入ることができれば物流コストも削減できます。行政の協力をお願いしたい。
▼伸興電線㈱尾崎勝社長
 国内市場を中心に通信ケーブルを扱っている。関東、関西メーカーと競合しているが、一番ハンディとなっているのが物流コストです。
 2008年に東京に、2013年には大阪に物流拠点を構えます。会社としては、幹線物流に関して地元の運送業者を使いたいのですが、なかなかコスト的に合わない。
 結果として県外の運送業者との契約の中で、香川・東京間の物流をお願いしている。地域還元という観点からすると心苦しいものがあります。
 県にお願いしたいのは、地場の運送業者さんを支援して頂いて、こちらも地場の運送業者を使えるようになればありがたいと思っている。
 それと現在も県からの補助事業を活用しているが、多くの場合単年度事業であって、長くても2年ほどです。
 製品開発は単年度では難しい。せめて3年、5年といった複数年の制度も県に検討頂きたい。長い目で見て欲しい。
▼浜田知事
 海の物流に関しては、現在の上海週1便を是非2便にしたい。物流コストも陸上を使うと確かに相当な料金になりますが、ただ平成26年以降は水準が違ってくるのではないでしょうか。
 中国オンリーから中国プラスワンになっている。ベトナム、インドネシア然りでこれらの国も配慮していかなければならない。
 台湾・台北便だが、わざわざ関空に行かなくても、台北から他のアジア諸国に行けるようになれば便利になる。単に観光路線だけでなく、ビジネスでも活用してもらえる路線にしたい。
 地元の運送業者活用だが、これは海外物流とは異なるので県としてはこれから勉強していきたい。
 単年度支援に関しては、全てがそうではない。長い目で見るという考えも大切なことだと思う。産業支援財団の応援ファンドも2、3年としている。
▼葵機工㈱松尾志郎会長
 県や産業支援財団には大変お世話になった。秋の展示会出展を通して、トヨタ自動車と取引できるようになった。12月には試作品が完成しトヨタ自動車に送った。
 この装置は世界で初めて開発されたもので、品質面ではどこにも負けないと思っている。
▼浜田知事
 トヨタ自動車展示商談会に行ったが、香川県企業の技術の素晴らしいと言ってくれましたし、こういった試みはこれからも続けていきたい。
▼鎌長製衡㈱鎌田長明社長
 提案一つ目は、産業発展の基礎は人であるが、香川県の若者は一旦県外へ出るとなかなか帰ってこない。帰らない理由は、香川の会社の存在を知らないからだと思う。高校の授業のなかで、香川の企業を教えることも必要ではないか。
 二つ目は、香川の交通違反の取締りは甘い。もっと厳しくすべき。
 三つ目は、かがわ産業支援財団の予算はもっと多くすべきだと思う。石川県の同様な財団は香川より倍くらいある。
▼浜田知事
 香川の企業を知らないから県外から戻って来ないという指摘はその通りだと思う。県としても関学大、龍谷大、神戸学院大学等関西の私大と協定を結んだのも、学生が香川で働いてもらいたいために実施している。
 総花的な就職説明会ではない説明会をこれから実施していきたい。これは中学生の頃からやるべきかもしれない。
 財団の予算が少ない指摘に関しては、県議会にお願いして努力したい。 
▼㈱スワニー三好鋭郎会長
 今開発中の車椅子は、従来品と比較して、体積が半分以下の車椅子を県から補助を頂いて現在進行中である。車椅子の市場は百億円と言われており、弊社の車椅子は室内用として提案していきたい。
 次に私からの提案だが、省エネに努めるということです。外国は電気の使用も抑えていますが、日本は贅沢な使い方をしていると思う。
 2、3年先の日本の経済よりも、節電対策を真剣に取り組むべきだと思う。災害対策もどうなっているのか。
▼浜田知事
 県の防災対策は1年前倒しで進んでいるが、市町はなかなか足並みが揃っていない。そこで県も市町に対してハード面で補助を行っている。
 節電対策も考慮してこれから進めていきたい
▼讃陽食品工業㈱島田晃男相談役
 主にオリーブ漬け、ピクルスを作っている。40年前に海外に飛び出し商品を作ってきたが、それが今は逆に日本国内で作るようになった。あまりにも世界の気候の変動が大きすぎたからです。
 今は田んぼが農業用として使われていない。有効活用はないものか。
 食品の廃棄量も半端でない。
▼浜田知事
 農地の有効活用も、企業の皆さんの意見を聞きながら進めていきたい。


目次

  • 編集長インタビュー
    香川銀行 取締役頭取 下村正治氏
  • 新春特別対談
    (社)高松青年会議所 13年度理事長 辻 佳宏氏
    (社)高松青年会議所 直前理事長 沖川 学氏
  • 地域のものづくりを支える企業経営者達と知事との意見交換会
  • 県総合運動公園の指定管理者に穴吹エンタープライズはじめ3者の共同体
  • 高松市国分寺町で太陽光発電所が稼働 うどん県電力(株)
  • (株)ロータリーハウスが本社および展示場を新築建て替え
  • 合格祈願クリーニングサービス開始 (株)白洋舎
  • 「ジオパーク讃岐」の認定取得に向けて提言 (一社)香川経済同友会
  • 香川輸入車ショウは2月2・3日にサンメッセ香川で開催
  • アパマンショップ三条店をリニューアル 松野不動産(株)
  • パーソナルトレーニングスタジオが高松三越斜向かいにオープン
  • 新春スペシャル読者投稿
    米国グレイトカンパニー14社を視察
  • 業界レポート2013
    コンビニ業界
  • ただひとすじの道NO.2
    太田英章氏(オータックス(株)・OTAX&CO)
  • 特集「地方が輝く新時代」へ
  • 巳年の経営者
    新日本ツーリスト(株) 代表取締役社長 楠木泰二朗氏
    東海工業(株) 代表取締役社長 塚本忠男氏
  • チャレンジする香川のTOP
    丸善工業(株) 代表取締役社長 三谷朋幹氏
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