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11月15日号

 国産車から輸入車、商用車の新車・中古車販売、車検等整備、買取を手掛ける㈲向陽自販(高松市三名町385 岡 隆夫社長)は、1981年に創業し40年以上の歴史を持つ自動車流通のプロフェッショナル集団。
 中古車では高年式、高品質の向陽自販ブランドを高めてきた。創業以来、地元香川で誠実で正直な商いを大切にする姿勢に変わりはないが、近年は海外への輸出事業を拡大している。
 地元で買取りした車を国内はもとより、海外にも直接販売する、これが同社の高額買取へと繋がっているのだ。
 イギリス、オーストラリアなど西洋諸国、マレーシア、シンガポールなど東南アジア、ケニア、南アフリカほかアフリカ諸国など右ハンドルの国で日本車の人気は非常に高い。
 同社では2月以降、輸出が右肩上がりで推移。実績があるのはマレーシア、ケニア、イギリス、アメリカ、オーストラリア、タンザニア、モーリシャスの7カ国。特にマレーシア向け輸出を大きく伸ばしているという。
 2年前、同社エクスポート業務課に入社した許 璋偉(シュー チャン ウェイ)さんの存在が大きい。マレーシアから香川大学に留学し上場企業で勤務していたが、縁あって同社で海外と日本香川を繋ぐ中古車輸出に携わることになった。
 2022年2月、信頼できる現地ディーラーとリレーションシップを結び、マレーシアの自動車輸入業者協会(PEKEMA)の、日本における公式サプライヤーとして認可を得た。国内に数十社がサプライヤー認定を受けているが、四国内では同社だけ。また今年4月にはイギリスの中古車ディーラーとの新規取引もスタートしている。


 前期、マレーシア向けに20台、アフリカ向けに46台を輸出したが、今期は10月末時点で既にそれぞれ159台、61台と輸出台数を伸長させた。期末の2月までの1年間で240台の輸出を目標に掲げる。
 「こういう車が欲しい」という現地からのリクエストに、同社の買取在庫やオークション等で仕入れ販売するBtoBがメイン。
 マレーシアでは近年、現地のディーラーがフェイスブック(Facebook)のオンラインライブで話題の車を紹介し、顧客が欲しい車を海外より輸入して販売するビジネスモデルが誕生しており、同社もオンラインライブによる輸出に携わっている。
 先ごろ、現地マレーシアでトップクラスの人気を誇るディーラー「D Concept」のメンバーが来日し、同社でライブ配信をおこなった。新型ランドクルーザーやクラウン、フェアレディZ、レクサスNXなど、現地で人気の車を揃えた同社展示場から特徴やスペックを詳しく紹介し、マレーシアのユーザーに日本車の魅力を伝えた。
 ライブ中はリアルで千数百人が視聴し、ライブ後に同動画を数万人が視聴するため、大きな効果がある。
 ただし、輸出は、仕入れて販売するという簡単なものではない。カントリーリスク、商習慣の違いがあり、常に大きなリスクと隣り合わせだ。許さんは「特定の国に集中することなく、複数の国とディーラーに分散し輸出事業の安定化を図りたい」と今後の課題を語る。またスタッフを増員し、輸出事業の体制強化、さらなるサービスの向上を目指す。
 https://koyojihan.com/


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