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10月15日号

▽2025年版
 持続可能な観光の国際的認証団体、グリーン・デスティネーションズが実施する表彰制度「世界の持続可能な観光地TOP100選」に四国からは今年、香川県丸亀市、三豊市、高知県黒潮町が選出された。丸亀市は2023年以来2度目、三豊市と黒潮町は初の選出となっている。2025年版は、過去最多の全国19地域が応募し、会津若松、井川山林、永平寺町、関門、千曲市、ニセコ町、南信州と四国3地域、全10地域が選ばれている。
▽四国四県
 四国からは2021年に小豆島町が初めて選出されてから、2024年は小豆島(小豆島町・土庄町)として上位賞のシルバーアワード表彰を愛媛県大洲市と共に受賞。徳島県三好市、香川県丸亀市、三豊市と高知県からも初の選出となる黒潮町の7地域が選出されたことになる。(一社)四国ツーリズム創造機構では、四国「持続可能な観光」推進ネットワークにおいて、四国運輸局観光部等とともに取り組んでおり、半井真司代表理事は「5年連続で四国からの選出があり、関係者の皆様のご尽力に感謝する。四国内7地域、11回目のTOP100選、四国はトップランナーとして確実に前進している。今回は、高知県も入った事でサスティナブルアイランドとして今後もネットワークの拡充を図っていく」と祝いの言葉とともに感謝の気持ちを述べた。


▽丸亀市
 前回は国の伝統工芸品「丸亀うちわ」の伝統を継承する取り組みにより「文化と伝統」において世界TOP100に選出された。2回目は「街が教室になるー次世代に繋ぐ、学びから始まる循環型観光」として新たに「ビジネス&マーケティング」のカテゴリーで選出された。㈱パブリックとレオマリゾートでフードロスのリユースから教育旅行向けコンテンツを構築。また中津万象園で選定された松を、レモン農家まるく農園がグランドカバーとして活用、栽培。果実をレモネードとしてタンジール・カフェでの販売につなげた。今後も観光を切り口とした地域振興に取り組んでいく。
▽三豊市
 「守り続けた海岸、奇跡の再生」と題され、父母ヶ浜を舞台とした地域と来訪者がともに自然を守り育てるストーリー。過去には海岸は漂着ゴミで荒れ、工場誘致による埋め立て計画が進行していた。住民らが「ちちぶの会」を結成し25年以上、清掃活動を継続し、「裸足で砂浜を歩けるように」と自然を守り抜いており、現在も清掃を毎月継続している。SNSでその美しい水鏡となった画像が拡散されてからは、2016年には約5500人だった来訪者が2022年には約51万人と100倍となった。今後は経済価値化に向け取り組むほか、認証プログラムに参加し来年には上位賞のゴールド、2027年にはクリアすべき指標を全て取り、GSTC認証を目指す。
▽黒潮町
 高知県の南西部にある黒潮町は、鰹のたたき、ホエールウォッチング、砂浜美術館など体験等の観光やマリンスポーツにも注力している。が、2012年に内閣府から国内最大級34.4mの津波高と発表され「日本一危ない町」として震災前過疎化の危機を迎えた。住民らが連携し、町独自の目標「避難放棄ゼロ・犠牲者ゼロ」を掲げ、防災対策を推進。町内に6基の津波避難タワーが完成すると、防災対策業務に支障が出るほどの行政視察が急増した。案内等のため任意団体(現在法人)が発足し、担い手の確保から防災ツーリズムとして人と自然のつきあい方を考える新たなツーリズムを生み出した。国内最大級の津波想定を超えて、絶望を希望に変えた黒潮町民の総戦力がグッドプラクティス ストーリーとして評価された。


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