ホーム刊行履歴1月5日号

刊行履歴

1月5日号

 ㈱百十四銀行(高松市、森 匡史取締役頭取)と、野村ホールディングス㈱(東京都、奥田 健太郎代表執行役社長 グループCEO)の完全子会社である野村證券㈱(奥田健太郎社長)は、2025年3月の基本合意以降、準備を進めてきた金融商品仲介業務における包括的業務提携に関して最終契約を締結した。
 提携の核となるのは、百十四銀行の公共債・投資信託の窓販業務など一部の登録金融機関業務に係る顧客口座を、吸収分割を通じて野村證券へ承継すること。その後、野村證券は承継口座および野村證券高松支店の一部顧客口座、ならびに主に香川県内での新規顧客獲得に関する金融商品仲介業務を百十四銀行に委託する。
 百十四銀行は、野村證券からの出向社員を受け入れ、専門的なノウハウや豊富な情報提供力を取り込み、高度な金融商品仲介業務を担っていく。
 この協働体制では、勧誘、販売、アフターフォローといった顧客接点を百十四銀行が、口座管理機能を野村證券が担当する。両社の強みを融合し、多様な商品・サービスや質の高いコンサルティング機能を提供する。なお、野村證券高松支店は法人顧客向け業務を中心に継続する予定という。


 新営業体制となるのが、百十四銀行の預かり資産営業部門と野村證券高松支店のリテール機能が統合された、「アセットコンサルティング部」でこれは百十四銀行内に新設される。この組織が業務運営の中心となることで、高松と丸亀に設ける「アセットコンサルティングプラザ」を拠点に各営業店と連携する。
 対面コンサルティングの高度化とデジタルを活用した非対面サービスの拡充を推進し、地域の顧客への良質なサービスを届け、「ファイナンシャル・ウェルネスの実現」に貢献することを目指す。金融商品仲介業務における預かり資産を、当面は1兆円まで拡大することを目標としている。
 今後のスケジュールとして、新体制移行にかかる吸収分割契約は細部再精査後に締結予定。顧客への具体的な手続きの案内は2026年6月以降順次発送される。金融商品仲介口座への移行は、野村證券高松支店の顧客口座が2026年12月頃、百十四銀行の証券顧客口座が2027年5月頃を予定している。
 この提携により、顧客は慣れ親しんだ百十四銀行の窓口を通じて、野村證券の専門的なノウハウと国内外の豊富な商品ラインナップを活用した、より高度なサービスを安心して受けられるようになる。
 このような地方銀行と野村證券による包括提携は、近年全国で見られる戦略で、これは地銀が収益源を多様化し、野村證券が地域顧客基盤を強化するという、双方にメリットのある取り組み。地銀側が営業・コンサルティングを担い、野村證券側が口座管理・システム・商品提供を担う分業体制が特徴的である。
 主な先行事例には、東邦銀行(預かり資産特化型拠点を設け専門性を強化)、山陰合同銀行(提携後の預かり資産残高が大幅に成長)、阿波銀行、そして福井銀行などがある。これらの提携は、低金利環境下での地銀の収益多様化ニーズ、高度な証券業務の専門性確保の必要性、そして野村證券の「オープンアライアンス」戦略という共通の背景のもとで進められている。
 百十四銀行のケースも、地域密着の強みと野村證券の専門性を組み合わせ、地域のお客様への提供価値最大化と預かり資産拡大を目指す取り組みと言える。
 なお、四国内では四国銀行(高知市)も大和証券との提携をおこなっている。


目次


  •  

一覧に戻る